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星陵高等学校 第44回 卒業証書授与式における校長式辞

最終更新:2021年03月01日

式辞(全文)

 春の息吹を感じる今日の佳き日に、令和2年度 学校法人静岡理工科大学星陵高等学校卒業式を挙行できますことは、卒業生はもとより、教職員、生徒一同誠に光栄であり、この上ない喜びでもあります。本日、ご臨席賜りました皆様方に、生徒、教職員を代表いたしまして厚く御礼申し上げます。

 44期生 494四名の皆さん、卒業おめでとう。これまでの皆さんの努力と研鑽を、心から讃えます。
また、今日のこの日まで、長きに渡り、皆さんの勉学を支え、励ましてこられました、保護者の皆様に、ここに深く敬意を表します。

 本日の、この喜びは、卒業生の皆さんの「たゆまぬ努力」の結果であることは言うまでもありませんが、それ以上に、これまで、皆さんを慈しみ、育ててこられた、ご家族をはじめ、多くの方々の愛情と、ご支援のおかげでもあります。
 「生きている」ということは「誰かに借りをつくること」。「生きて行く」ということは「その借りを返すこと」という言葉がありますが、この「卒業」という人生の節目に当たり、お世話なった方々へ、素直に感謝の気持ちを伝えて欲しいと思います。

 3年前の入学式で、私は「これからは、今ある「日本の常識」では通用しない。今、求められているものは、この情報化社会と世界情勢の中での「新しい枠組みを創る知恵」と「そこで生きるための力」であり、その「知恵」と「力」を付けるために重要なのは「仲間」である」という話をしました。

 皆さんは、このことをよく理解し、この学舎にて、学業、部活動、学校行事、生徒会活動 等々、目の前の一つひとつに 誠実に向き合い、仲間と共にベストを尽くしてきました。その日々の真摯な生き方の積み重ねによって、皆さん一人ひとりが、それぞれに「成長」してくれたものと確信しております。

 さて、今、世界はコロナ禍の中で急速にオンライン化が進みました。オンラインは時間や場所の制約から自由になるという大きな利点を有しており、新しい学習スタイル・新しいビジネススタイルを構築して行く上で、とても大きな可能性を秘めていますが、一方で、ピア・ラーニングも重要視されています。

 ピア・ラーニングとは、仲間(peer)と学習(learn)が組み合わさった言葉で、学習者やビジネスパートナーが互いに協力して学び合う学習手法のことです。人が集い、話をし、体験を通して新たな気づきを五感で感じる。これこそが教育の本質であり、また、ビジネスの本質だからです。

 日本はグローバル化と少子高齢化により、社会が大きく変わろうとしています。今までの仕組みは大きく変容し、これまでの価値観が根本的に見直されつつあります。このような時代を生き、未来を切り拓いて行くために、君達に三つのメッセージを送ります。

 一つ目のメッセージは「社会で活躍するために必要なスキルを向上させるための勉強を怠るな」です。

 世界のリーダーが集う「ダボス会議」を主宰している「世界経済フォーラム」が発表した2020年ビジネススキルランキングのトップ3は、1位が「複雑な問題を解決するための力」、2位が「クリティカル・シンキング」。
 クリティカル・シンキングとは、色々な事柄に対して「それって本当」と問いかけることで、物事の本質を見抜き、結論まで導き出す思考法のことです。
 そして、3位が「創造力」。創造は、新たに創り出す方の創造です。
 インターネットの出現により、世界は瞬く間につながる時代となり、ビジネスパートナーは、もはや外国人です。これから先の時代、日本が、国際的にも高い競争力を維持し、日本発のイノベーションを次々と生み出すために必要な能力が、今、挙げた能力なのです。なので、どうか、勉強をし続けて下さい。本を読んでください。仲間を大切にしてください。

 二つ目は「自分という軸を、しっかり持とう」というメッセージです。
 
 これから君達が生きていく世界は、色々な方向から「様々な強さの風」が吹いて来ます。その時に自分の「軸」が動いてしまうと、「風」が吹いていないのに「風」を感じてしまいますし、また「風」と同じ方向ばかり向いていると「強風」なのに「微風」と勘違いをしてしまいます。
 大切なのは「自分という軸をしっかり持ち」夢を実現するための「意思を貫く」ことです。

 三つ目は「人生の大きさは、自分が持つヒューマンネットワークに比例する」というメッセージです。

 これから先、君達誰しもが、遅かれ早かれ社会人となり、やがて、大きな仕事を任されるようになります。その大きな仕事を成功させる上で大切なのは「人の輪」です。
 しかし、その「人の輪」というのは、並大抵の努力では大きくなりません。場合によっては、自分を抑えることも必要でしょうし、相手の立場を考え、行動することも必要です。人との出会いを大切にし、出会った人には誠意を持って接していく。
 それを繰り返すことで、自分に対する「信用」が生まれ、その信用が「信頼」を築き上げていくのです。

 この三つのメッセージは、国籍とか仕事内容、時代に関係なく、常に求められる能力であり、テストで測ることの出来ない、いわゆる「非認知能力」です。

 今、日本は、若者に対しては「知識・技能・思考力・判断力・表現力」というテストで測ることが出来る「認知能力」を求めていますが、君達が社会人として一人前になる頃に求められる能力は、先程来述べている「非認知能力」です。
 そういう意味でも、本校の校訓である「誠実な心で事にあたる」「友情の和を広げる」「厳しさを自ら求める」は非常に重要で、一生涯、実践して欲しい校訓であります。

 終わりにあたり、保護者の皆様には、この三年間若しくは六年間、本校の教育活動に絶大なるご理解とご協力を賜りましたことに心から感謝申し上げます。私たち教職員一同は、これまで全力を傾注して指導にあたり、また、共に学んで参りました。前途有為な皆さんと共に、三年間若しくは六年間、同じ学舎で過ごせたことに感謝しつつ、皆さんを送り出すことができます。

 それでは、卒業生の皆さんの洋々たる前途が健やかで、幸多きことを心から祈念して、式辞といたします。


令和3年3月1日
学校法人 静岡理工科大学
星  陵  高  等  学  校
校 長  渡  邉  一  洋